サラリーマンとして生きていく上で重くのしかかってくる転勤制度。
結婚した直後や夢のマイホームを建てた直後に県外転勤を命じられたという話もよく聞きますよね。
つい先日、某化学メーカーの男性社員が育休取得直後に県外転勤の辞令があり、交渉も聞き入れてもらえず退職したことが話題になりました。
いわゆる「パタハラ」疑惑ですね。
一方で某企業は転勤を廃止したことで話題となっています。
みなさんが働いている会社でも転勤があるところは多いのではないでしょうか。

正直に言いますと、
働き方が多様化している今の時代、転勤制度は廃止すべきです。
転勤制度が時代錯誤だと思う理由
たった一年転勤を経験したくらいの若造が偉そうなこと言うんじゃねえ!と思った方もいるかもしれませんが、逆です。
こんな若造ですらそう思うくらい時代錯誤な制度であるということです。
その理由を解説していきます。
終身雇用の崩壊
そもそも転勤制度は終身雇用ありきの制度です。
定年までの雇用がほぼ保障される対価として、会社からの転勤命令にも応じざるを得ないというようなシステムです。
しかし、近年は企業の負担増や従業員の価値観の変化により、終身雇用制度自体が崩壊しつつあります。
終身雇用が崩壊してしまえば、これまでの日本のように会社に一生を捧げる必要がなくなり、会社に左右されない働き方が主流となっていきます。
なので、終身雇用を前提とした転勤制度そのものの見直しが必要だと思うわけです。
終身雇用の崩壊についての解説もしています↓↓
終身雇用制度の崩壊について考える
若者の価値観の変化
最近は、就活サイトや転職サイトの検索条件に「転勤無し」という条件があったり、企業によっては昇進や賃金に差がある「地域限定社員」という制度を導入しているところもあります。
このような点から、
- 転勤がない企業を探している若者が一定数いる
- 出世の道が閉ざされてもいいから地元や一つの場所で働きたい
ということが読み取れます。
今後も転勤制度を運用し続ける企業は、就職や転職の選択肢にすら入らなくなり、人手不足に拍車がかかるかもしれません。
SNSの発達
某化学メーカーのパタハラ疑惑も被害者の妻のTwitterでのつぶやきがきっかけでした。
そこからものすごい勢いで拡散され、大炎上に繋がってしまい、
結果、企業自体の評判を大きく損ねてしまいました。
今後、あの企業に入社したいと思う人はかなり減るのではないでしょうか。
このように、企業の不祥事や、理不尽な行動はSNSで簡単に拡散されてしまいます。
悪い意味で拡散されてしまった場合、企業にとってはかなりの痛手となるでしょう。
転勤のメリット
悪いところが目立つ転勤制度ですがメリットは存在するのでしょうか?

よく言われるのは
- 様々な経験を積むことができる
- 人脈が広がる
- 人間関係がリセットされる
とかですかね。
転勤することによって、今までの場所ではできなかった様々な経験を積むことができるのは間違っていません。
問題は「それは県外でしか積めない経験なのか」ということです。
海外転勤なら話は変わってきますが、遠方の支店や営業所だけでしか積めない経験なんてそうそうないと思うんですよね。
また、人脈が広がったとしてもまた転勤する可能性があり、そうなった場合はそこで築いた人脈はほぼ意味をなさなくなります。
そして人間関係をリセットしたとして、新しい環境で人間関係を築くほうが手間ですし、そこでもストレスが発生する可能性は大いにあります。
そもそも職場で良好な人間関係を築いていれば転勤してよかったと思えるほどのメリットはないんですよね。

転勤のデメリット
単身赴任の可能性
これは僕が一番危惧していることなんですけど、もし結婚していて単身赴任せざるを得なくなったとしたら
寂しすぎません?
遠くにいる家族を支えることだけを考えて身を粉にして働く・・・
また、遠距離となるとどうしてもカップルだろうと夫婦だろうとお互い気持ちが離れがちになりますよね。
最近不倫もよく問題になっていますし心配になっちゃいます。
この間の話ですが、2人目の子どもが生まれた直後に3年ほど遠方に転勤になった先輩が、
久々に家に帰ったら自分の子どもから知らないおじさん扱いされたらしく落ち込んでいました。
あまりにひどすぎませんか・・・

諸々の手続きが手間
転勤をするにあたって、引っ越しや住所変更の手続きなどが発生します。
子どもがいれば、保育園や小学校の転校手続きも必要になります。
また、某化学企業の事例のように、日程自体は会社から指示をされるので、融通が利かない場合が多いです。
僕が転勤した時も引っ越し費用は会社が負担してくれたのですが、日程はかなりキツキツでした。
急激な環境の変化
これまで住んでいた地を離れることは新鮮さもありますが、負担も大きいです。
自分はよくても、家族がいる方は家族が大きなストレスを感じることもあるでしょう。
子どもが新しい環境にうまくなじんでくれるとは限りません。
僕は独り身ですし、転勤自体1回しか経験していないので、ストレスはあまり感じませんでしたが、人によってはかなりのストレスになるのは間違いないです。
妻(夫)の仕事
共働きの妻や夫がいる方は、転勤に伴い退職や転職をする必要があります。
転勤先で新しい仕事を探す必要がありますし、転勤自体が転職に不利になることもあります。
そもそもパートナーの都合で今の仕事を辞めるというのはかなり嫌ですよね。
マイホームが建てられない
いつかはマイホームを建てたいと思っている方もいると思います。
しかし、いつ転勤が命じられるかわからない会社では、数千万かかるマイホームを建てるのもためらいますし、建てたあとに転勤を命じられたら単身赴任せざるをえないでしょう。

転勤が嫌なら転職か会社に依存しない生き方をするしかない
転勤制度について持論を展開してきましたが、自分が働く会社が転勤制度を廃止するかというとそうとは限りませんし、
転勤の恐怖におびえないためには転勤がない企業に転職をするか、会社に依存しない生き方をするしかありません。
今後副業を解禁する企業も増えてくると思いますので、今のうちから収入源を複数持つなどして会社に依存しない生き方ができるようになっておくことが必要だと思います。

まとめ
転勤制度は終身雇用制度ありきの制度であり、その終身雇用が崩壊しつつある今、存在意義が薄れています。
多様な働き方が増えてきている現在、メリットもほとんどなく、デメリットばかりのこの制度はもはや廃止するべきなんです。
今後も転勤制度を運用し続ける企業は人がどんどん辞めていくかもしれません。
また、SNSでマイナスイメージが拡散されてしまえば大打撃を受けることは間違いないです。
従業員を大切にしない企業は今後淘汰されていくとでしょう。
再度繰り返しますが、会社に依存しない働き方をするためにも複数の収入源を持ち、自分自身の価値を高めることが必要になってくると思います。